ノットステア

コーダ あいのうたのノットステアのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.0
○感想
新幹線の中で父親と一緒に観た。僕が払っているアマプラを僕以上に使いこなしている。予めダウンロードしてくるとは。。。とはいえ、行きの新幹線ですべて観ることはできなかったので、一気に観ることはできなかったが、良かった。
次の日の朝、一人で続きを観た。
また一つ字幕の良さが分かった。こういう新幹線の中でも周りが多少うるさくても、セリフなどがわかる。(字幕のほうが口の動きと音が合ってて気持ちいいとか、役者の声が聞こえるから違和感がないとか、そういった高尚な理由でなくてすんません。)
画面に父親の顔がずっと写ってたけど、ま!それもいい思い出。

いい映画でした。特に耳が聞こえない人を通じて歌の表現力の高さを演出するのが上手いなと思った。

以下、ネタバレあり。










音楽(歌声)がいかに上手かということをあえて無音で表現している場面がある。耳が聞こえない家族の心境や感覚が表現されている。自分たちには娘の歌声が聞こえなくて、だから夕飯は何にするか、スパゲッティーにしようとか、雑談(手話)をするのもわかるし、でも娘が発表してるんだからせめて見てあげてよ!と思った。けれど、両親は娘も少しは見ているけれど、周りの様子を見るようになる。感動して涙を流している観客やリズムに乗っている観客の姿を目にする。
漫画『海が走るエンドロール』の主人公、うみ子さんは映画を観るのが好きだけど、映画館では観客の様子を見るのが好き。映画を作る側の視点。それと似た感じの演出だった。ちょっと違うけど。観ている/聴いている人の姿を描写することで、その作品/発表の凄さを表現している。

その夜、耳の聞こえない父親が娘(主人公)に自分のためにうたってくれと言う。歌っている喉に手を当て、改めて自分の子どもの力を感じる。(ラップの振動を楽しんでいた父親ならでは、かな?)

当日、家族が娘を起こし、家族のために諦めていた(諦めさせられていた)音大の受験に臨む。
なぜか受験の手続きはしているし、受験時間に30分遅れてしまうにも関わらず受験させてもらえるし、楽譜を忘れてアカペラかと思えば帰ったはずのV先生が伴奏すると言い始めるし、歌に感情がこもってないと判断したら伴奏をミスった振りをして最初からやり直すし、家族は入れないはずなのに受験の様子を見に来ちゃうし、それに気づいても試験官は注意しないし、受かっちゃうし。。。





○あらすじ

・漁船。漁師と歌う女の子(ルビー)。手話で会話

・コーラス部に入部。顧問のV先生。変な人。人前で歌うのが怖い。逃げだすルビー。言葉が変だと言われた過去。

・ルビーの上達。発表会に向けマイルズとデュエットを組む。V先生の元で歌のレッスン。音大を目指す。

・漁師たちの不満。政府の介入。ルビーが通訳。新たな漁師共同組合の立ち上げ。ルビーの負担、大。レッスンに遅刻。当日急に組合の取材で通訳をさせられる。レッスンに行けない。ルビーの怒り、先生の怒り。

・家族に歌の道に進みたい話す。母、才能がないかも。。。大事な時期なのに。

・漁をさぼる。マイルズと仲直り(マイルズは自分の家族と違ってルビーの両親が仲良いことを羨ましいと思う。良い意味で面白い出来事として友達に話してしまう。その友達が周りに言いふらし、ルビーはからかわれた)、水に飛び込む。父と兄は、ルビー抜きで漁。政府の監視員が船に同行。耳が聞こえないことを知り、監視員が、海上警察に通報。反則金。ルビーは進学を諦める。兄の怒り。家族の犠牲になるな。

・母、合唱部のコンサートに向けて、赤いドレスをプレゼント。母、生まれたときは、分かり合えないかもと思った。

・コンサートの当日。大きな拍手。その夜、父、自分のために歌ってと頼む。

・音大の受験。家族皆で。2階席に家族がこっそり。歌詞を手話で表現。

・大学に合格

・旅立ち。