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劇場版 呪術廻戦 0のシネラーのレビュー・感想・評価

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
4.5
アニメ第2期が放送中の
『呪術廻戦』の劇場版を初鑑賞。
アニメの第2期が放送されてから
アニメ第1期を視聴し始めた身だが、
一本の映画として綺麗に纏まっている
王道なジャンプ漫画で良かった。

物語としては、
幼馴染で幼少期に亡くなった
祈本里香の呪霊に取り憑かれていた
高校生の乙骨憂太が、
呪術師・五条悟の計らいで
呪術師の学校である呪術高専へと転入し、
そこで仲間達と交流していく中で
自身も成長を遂げて
呪詛師・夏油傑と対峙する内容となっている。
原作本編及びアニメ本編の前日譚であり、
その上で作品として初見でも
世界観が分かるようになっているのは
好感が持てる部分だった。
戦闘シーンのクオリティも素晴らしく、
音楽と相まっての激しい戦闘は格好良かった。
物語としても、
当初は暗く内向的だった乙骨が
仲間と出会って呪霊と対峙する中で、
自身の呪いに対してどうするのか
決断し強くなっていくのが描かれており、
丁寧に作品を通しての
成長物語となっているのは良かった。
五条悟と夏油傑の袂を分かった
親友という関係性も同時に描かれ、
端的ながらも二人の回想等もあって
その顛末は悲しくなる部分だった。
個人的にアニメ第2期「懐玉・玉折」を
視聴後だった事もあり、
色々と思う部分もあって良かった。

気になった点としては、
乙骨を演じた緒方恵美に関してだ。
緒方恵美自体は好きな声優の
一人でもあるので悪い訳ではないが、
どうしても乙骨の雰囲気や
内向的な部分がエヴァと被ってしまい、
悪い意味で重なる配役に感じられた。
又、丁寧にキャラを描写する分だけ
漫画的な説明を感じる部分があり、
その点は良くも悪くもだと思った。

近年のジャンプ漫画のアニメ映画
としては屈指の出来映えであり、
前日譚という形で世界観を纏め上げた
一本の映画で好きな内容だった。
少なくともこれからアニメも
追い続けていこうと思った。
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