このレビューはネタバレを含みます
「幽霊を別個の存在として、死後に行為能力と意志を備えたものとして見るよりもむしろ、私たち生者のほうが心霊的なテレビプロジェクターの役割を果たしていて、心の中で送信した考えを別の人が受信して幽霊として解釈するのだ」(コリン・ディッキー『ゴーストランド』p. 256)という、ストーン・テープ理論に基づいている。
寒気がするため気温の変化を調べるが、変化を感じる人と感じない人がいる。
幽霊がホログラムっぽい姿を見せる点は、叩き音やポルターガイストで幽霊の気配だけを感じさせる『たたり』等の古典的な幽霊屋敷物とは異なっている。
記録媒体開発チームの面々が幽霊のデータを集める。霊の悲鳴が本当に大きくて悲痛だったり、幽霊を測定する機械の騒音が不快だったりと、観ている方が結構な苦痛を与えられる映画である。
過去に悪魔祓いを受けていた場所であることが判明するのだが、詳細は判明しないので割と消化不良な印象が残る。
「石の媒体」(mineral medium)というストーン・テープ理論に基づいた言い回しが出てくる。
オーブやエクトプラズムが出現する。当時信じられていたオーソドックスな幽霊屋敷現象の定石を押さえている。