シン・仮面ライダーのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

冒頭のカーチェイシングのシークエンスにおける接写の繋ぎを見て、「動きを捉える気ないな」と思い、「映画」として見ることを止めてしまった。それゆえ美術・衣装のチープさや音響の悪さ、撮影の雑さ等々は目をつぶったし、画が繋がることの興奮を一切期待しなくなった。そのお陰で『仮面ライダー』継承式として本作を楽しむことが出来たし、実写、CG、アニメーション、もしくはそれらを合成した今日的な画によるモダナイズは面白く見た。過去作のオマージュとの混成も納得した。

ルリ子の赤いスカーフの巻き方がネクタイのそれに近いこと、右足に残る血の反復、水面とプラーナによる光の反復、povによる観客と旧来のシリーズの結びつきあたりはよかったんじゃないかな。

浜辺美波は確かに頑張ってた。しかし彼女は身体的に不器用な俳優だと思っているので、本作以上の役が他にありそうと思ってしまった。個人的には西野七瀬は思いの外ハマっていて驚いた。アマチュア色が特撮の雰囲気にハマっていた。森山未來の肉体的言語の豊富さと、柄本佑の存在感は良かった。彼らのファンなら文句なく本作を薦めたい。