観々杉

シン・仮面ライダーの観々杉のレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.6
庵野監督によるシンシリーズ第四弾。初代仮面ライダーを独自解釈で描く。その評価を巡って賛否が大きく分かれた作品。戦闘シーンのライダーのマスクのアップがやたら多く諄い。戦闘時の大雑把なカメラワークも気になるが、自分が子供の頃に見たライダーもそうであり、踏襲しているとポジティブにも考えられる。偶に多重露光などの視覚演出を用いることがあり、映像に良いアクセントとなっている。特に不評の多いアニメーション風の演技と会話文中で不自然に英語を発音する人物という2点は本作でもアピールされており、監督がかなり気に入っていることがわかる。敵戦闘員を殴り血飛沫を上げる無慈悲な戦闘スタイルは魅力的だが、以降は怪人とのタイマンが増えて行わなくなる。特撮作品の華である爆発も一部を除いて殆ど無いのが残念。ストーリーは庵野映画としては地味な部類に入るが、不幸なイベントとそれを克服する一連の流れは感動的であり、決して悪く無い。明らかに賛否両論の作品であり、否が応でも悪い点は見つかるが、時折センスを窺わせる侮れない作品。
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