アキラナウェイ

シン・仮面ライダーのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.4
仮面ライダー生誕50周年企画作品。

日本を代表する、拗らせ監督庵野秀明による"シン"シリーズ。彼の監督作としては、2016年の「シン・ゴジラ」以来となる。個人的には樋口真嗣監督の「シン・ウルトラマン」がガッカリだったので、こちらの「シン・仮面ライダー」はかなりハードルを下げて鑑賞。

本郷猛(池松壮亮)は謎の組織SHOCKERに拉致されるが、緑川ルリ子(浜辺美波)に促され、共にオートバイで研究施設を脱出。彼はルリ子の父・緑川弘により、強大な殺傷能力を持つ身体に改造され、自らを"仮面ライダー"と名乗り、SHOCKERに立ち向かう—— 。

うむ。
思っていたよりは悪くない。

1971年に放送されたTVシリーズ「仮面ライダー」の世界観を現代に通じるよう、きちんとupdateされている。

生体エネルギー・プラーナによって変身する昆虫合成型オーグメンテーションプロジェクトの被験体、バッタオーグ。それが本郷猛であり、彼の前に立ちはだかるのは、クモオーグ、コウモリオーグ、サソリオーグ、ハチオーグ等。

無骨なニヒリズムを感じさせるロングコートを羽織り、バイクに乗りながら、ヘルメットやバイクがガシャンガシャンと変形していく様子がカッコいい!!でも、マスクの首筋から後れ毛が出ているのはカッコ悪い。

敵を殴れば血が噴き出るリアルな描写も好意的に受け止めた。しかし、高所をジャンプする際の違和感たっぷりの不自然な動きが目立つCGの多用はいただけない。

池松壮亮、浜辺美波と並び、2号ライダーとなる一文字隼人を演じる江本佑、本郷奏多、森山未來、長澤まさみ、松坂桃李と豪華キャストが揃い踏み。

ちょ、ちょ、ちょっと待てーーーい!!

長澤まさみ!?
何処にいたのよ!?

本編鑑賞後、巻き戻す。

顔の反面をマスクで覆われたサソリオーグだった。

じゃ、松坂桃李はよ!?

再び巻き戻すがわからない。
ネットで調べる。
顔を完全に覆ったロボットの役だった。

わ か る か ー い !!

ちゃぶ台をひっくり返したい。
ちゃぶ台、ない。

あとさ、本郷猛とルリ子に付きまとう公安の男が2人。竹野内豊と斎藤工。この2人、いる??

公安がいつも見張っているなら、ルリ子が倒れた際に駆け寄るぐらいしても良いんじゃないかな?存在感が薄過ぎるのだが。

量産型ライダーとのバトルはトンネルの中で終始画面が暗いし、ライダーの希少性が薄くなるだけなので、これも無駄に感じたし。

そして、やっぱり魂がどうとか、自分と他者の関係性がどうだとかという話を盛り込む辺りが庵野的。拗らせておる。正直終盤になればなる程、ストーリーはどうでも良くなる。

悪くはないけど、良くもなかった。

僕はニッポンのシン・レモンサワー(サッポロ)が好きだわ。