ドーン・オブ・ザ・原子力発電
！！

数々の推薦や受賞を獲得した、
輝かしいドキュメンタリーの
上映開始だ。♪

「東海村に、異様な見慣れない
建物が建ち始めています…」

夜の浜辺。
誰がどう見ても不気味で危険な
“悪の脅威”以外感じられない。

暗い陰影。不穏なBGM。
怪しげな設備と機器。

地球人類が破滅へと導かれゆく
序章の幕開けが、これから
描かれてゆくのだ…！
―――愚民共よ、刮目せよ！！


「我々は今、平和のための
原子力を手中に収めました」

「強大な原子エネルギーも今は
原子炉内に収められています」

「その原子の火――新しい未来
を拓く、原子の火です…！」


俺はエネルギー界の頂点…
未来を拓く新しい力となった。
人間ごときと対等の地に下りて
いけるかッ！無礼者めがッ！！

―――ゴォォッ！！☆

当時のイデオロギーを観れるのは面白い。今だとありえないと思うけど、当時だと私も原子力発電を歓迎する思想を持っていたかも知れないと初めてくらい思った。
癪にも、原子力発電所内部の建築風景を切り取った映像には映像美がある。

残されるべきものだった。素直に自然と人間が寄り添いながら生きていく最高な方法かのように思えた。平和のためのエネルギーということばが耳障りよく聞こえたけど平和という言葉の利用。溶接の場面、わたしには命が燃えているようにしか見えなかった。野生の火がみたい。