【 あの時 僕は死んだ
そして 別人に たしかに僕は
あそこで暮らした 小さな平和の中で 】
ロシアの大地
地平の彼方まで 広がる ひまわりの 群生
そこは イタリア兵と ロシア兵が 眠る
かっての戦場
【 ここにはいないわ 主人は生きています】
ロシア戦に 出兵した夫 アントニオは
消息を絶った
ジョバンナ(妻)は 夫を探しに
イタリアから 遥遥 ロシアへ渡った
彼女は 探し出すだろう
たとえ 【 ひまわり 】の草の根 を かき分けてでも
【 アントニオは 忘れたのです なにもかも
名前もです 私がずっとそばに 】
戦争が産んだ 悲劇
彼には 新しい家庭と 子供がいた
一目会って 飛び込む列車
私事だか、
私の父には 本妻がいた
随分 大きくなるまで 自分がお妾さんの子であるとは、知らなかった
父は 早くに死んだ
母は、女手ひとつで 私たち兄妹を育ててくれた
凛として 生きた母
戦中 戦後を問わず すべての女性に
託した 作り手の思いが、【 向日葵 】なのだろう それでも 日に向かい 凛として生きて欲しいと