イマジンカイザー

ひまわりのイマジンカイザーのレビュー・感想・評価

ひまわり(1970年製作の映画)
4.5
前に午前十時の映画祭で観たっきり、まさか再び劇場で会いまみえることになろうとは。
当時はたしかニュープリントのフィルムだったはずなので、それと見比べて大差ない、こちら(2020年レストア版)もフィルムのそれとほぼ同じ、って言ってしまうのは褒めているのかどうなのか。
とかく、冒頭のテーマソングとひまわり畑で圧倒させる部分は何も変わっていないなと。壮観。

楽しかった恋人暮らしが最初に来ているせいか、後はそのまますれ違い続ける物語がつらいのなんの。双方がぶつけられた事実に苦しみ、ボタンの掛け違いのようにひたすら離れて行く。やっと寄りを戻せそう、と思いつつ、もうそんなことはできないんだ、って事実を時の流れと共に見せつける。哀しいけれど、作中言っていたように『離れていても、愛がなくても生きていける』って部分を如実に表しているようで。

おはなしは残酷なれど、冒頭のひまわり畑にソ連ロケ、延々と続く雪の進軍。この当たりを劇場で、レストアされた映像で観られて良かったなとおもいます。