【ただならないたくらみ】
Netflixの近作。好評なのか、制作が続くインド産オムニバス映画。テーマにイマイチ、掴み処なくも、今回も見応えありました。
共通しているのは、登場人物の誰かによる、悪だくみで物語が閉じること。悪さには確固たるものから切ないものまで、諧調があって、それが各話の、後味の違いともなっています。
●愛人(Majnu)
結婚という檻に囚われたファム・ファタール…を巡るノワールと思わせて、そこから。囚われ具合がいかにもインド。『ダンガル』のお姉ちゃんだったファーティマー・サナー・シャイクの快演続きますね。今回は妖艶演でした。お話はちょっと作り過ぎて、ドヤ顔、鼻につく。
●おもちゃ(Khilouna)
オンナを武器に男心を惑わせ、幼い妹の面倒を見ながら、使用人人生を逞しく生きるヒロイン。その生々しさが魅力だが、オチのジャンプが跳び過ぎて、それまで積んだ話が迷子になっちゃった感。
●濡れたキス(Geeli Pucchi)
一番見応えあったかな。女ふたりの友情が、熱い一線を越えようとするが、堅固なカースト壁に阻まれる。ローレンス・フィッシュバーン顔なのに大変魅力的なヒロイン、コンコナー・セーン・シャルマーのいぶし銀演技が、静かに光る。これもインドならではの物語ですね。
●沈黙に包まれた会話(Ankahi)
夫婦のすれ違い。言葉のディスコミュニケーション。手話で埋まるもの、埋まらぬもの。妻が外で育ててしまう、淡い恋。妻はそれを断つべきか?悪巧みなどで終わらせたくはないのに…。熟女ヒロイン、切なき味わい。監督はボーマン・イーラーニーの息子さんだそうですね。
全般では、善かった。ネフリのインド短編集、次も楽しみです。
<2021.6.6記>