ジャンリュック

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のジャンリュックのレビュー・感想・評価

4.0
50年以上も封印されていた幻の映像!
ブラック・ウッドストック!!
スライ,BBキング,マヘリア‥!!!

Clip!してたサムネ写真を見るだけでもう待ち遠しくてたまらなかった映画が、やっと近くの映画館で公開😆


僕的には、敬愛するスティーヴィー・ワンダーの当時のパフォーマンスをいちばんの楽しみにしてたら‥いきなり登場して圧巻のドラムソロ。

そして後から再登場しての、
♫Shoo-Be-Doo-Be-Doo-Da-Day

この人やっぱり天才なんだなあ‥
声の操り方が異次元だし、ドラムもキーボードも自由自在。まあほとんどの楽器を自分で演奏してアルバムつくっちゃう人だし。

もちろん他の超豪華メンバーのパフォーマンスも熱く、ジャンルもブルース,ゴスペル,R&B,ソウル,ジャズ,ファンク‥とブラックミュージックの全てが詰め込まれてる。

会場を埋め尽くした人の顔も輝いてて、今この場に居ることを本当に楽しんでる感じ。


ところでこのイベント、1969年という時期に、出演者も観客もほぼ黒人という状況では、純粋な音楽だけのフェスにはなり得ず、やはりというか公民権運動の色がかなり濃い。

彼らにとっての魂の叫び‥まさに“ソウル”なんだろうけど、ちょっと行き過ぎも感じられる。

ニーナ・シモンが読んだ詩などは、暴力を肯定し白人世界の破壊を煽るような内容で(追記参照)、気分が悪くなる。この人をシンボリックにとり上げてるのにも違和感あり。

この映像がずっと日の目を見なかったのも、あまりに煽動的な内容に、誰かがどこかでストップかけたんじゃないかとか思ってしまう。

そんな中で、バンドに白人も黒人も居て、男女の隔たりもなく演奏している、スライ&ザ・ファミリーストーン。
今の時代にも合ったあるべき姿を、この当時すでに示しているように見える。
パフォーマンスも最高の盛り上がり😆


つくり手の思いとは違うかもしれないが、僕の中ではこの映画は純粋に音楽を楽しむ映画にしたい。




▼再鑑賞・追記

上で触れた、ニーナ・シモンの言葉について。
前回は劇場鑑賞だったので一字一句は覚えてなかったけど、今回配信で確認できたため記載⤵︎

必要なら殺す覚悟はある?
心の準備はできてる?
体の準備もできてる?
白いものを叩き潰す準備は?
ビルを燃やす準備は?
黒人のみんな 本当に覚悟はできてる?

詩の引用とはいえ、これって殺人とか破壊行為を明らかに煽動している言葉に見える。

これには賛同できないなあ‥

こんな内容にも関わらず、この映画で彼女をアイコン的に扱ってることに、本当に違和感しかない😠



再鑑賞 2022/5/1 Disney+