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かそけきサンカヨウのレクのレビュー・感想・評価

かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)
3.0
親の離婚と再婚、複雑な家庭環境。
日常の変化を思春期の子供視点で捉え、人と人との交流による小さな心模様の変化を淡く繊細に描き出す。

今泉力哉監督らしい優しく丁寧な演出によって紡がれる日常から家族愛、恋愛、友情、様々な愛に包まれた。

ただ、中高生はもっとワガママでいい。
育った環境でそうならなければならなかった、自身の感情を押し殺すしかなかったとしても、かなり大人びている。
やけに物分りがよく進む展開にワンシーンでも大人たちに対して感情を露わに叫ぶシーンなどがあれば、もっと子どもたちの境遇にぐっとくるものもあっただろう。

大人への成長を描く上で、その導線ではもっと子どもらしさを描く必要性があると思う。
家族や友人と心と心がぶつかり合う感じがまったくない。
唯一感情を露わにしたのが、絵本のくだりだけ。
要するに、美化されすぎていて綺麗事に見えてしまうんですよ。
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