脳内金魚

ベネデッタの脳内金魚のレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
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当時の抑圧された女性を描きたかったのか、宗教とは名ばかり腐敗しきったカトリック界を描きたかったのか。なんだか、どちらを描きたかったのやら中途半端に感じられた。

なぜベネデッタがバルトロメアに惹かれたのか、明確な何かがあるでもなく、かといって匂わせがあるわけでもなし。そのために、二人の関係が、抑圧されたなかで覚えた性的快感から抜け出せなくなった、言い方は悪いが「自慰を覚えたサル」みないな描き方に見えてしまった。
どうやら、ベネデッタはマリアさまと対話でき、奇跡を起こすことが出来たというのだが、その「奇跡」も冒頭の物取りのシーンと聖母子像が倒れてきたときに助かった、その二ヶ所しか描かれず、それだけでベネデッタの背景を知るのは難しいのではないだろう。それもあり、余計に殊更「同性愛」の件ばかりが強調されているように感じた。
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