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愛しい人から最後の手紙のJIZEのレビュー・感想・評価

愛しい人から最後の手紙(2021年製作の映画)
3.3
1960年代に書かれたラブレターの束を見つけたジャーナリストがそこに記された禁断の恋の行方を調べ始める。まず主演のフェリシティー・ジョーンズやシェイリーン・ウッドリーなど名だたる俳優陣が一同に集結していて、配信映画ながら力の入れようが豪華。また比較的『博士と彼女のセオリー(2014年)』調の手紙など"アナログの純愛"が、手軽になったデジタルの現代の恋事情へ語り掛けているようである。全体的に文学的な語りによるアプローチの古くささはあるが、ストレートに相手へ気持ちを浴びせるロマンスや、好奇心の可能性、歳月と逆行するそれぞれの想いの加速など、記号的なクラシック濃度も豊富で、恋の在り方をしめす作品の美的な世界観へ幾重にもひたれる映画となっているのではないでしょうか。エンドロールの音楽でポップに幕引きされる感じも、前向きな空気感が未来への創出とともに画面を包みこみます。
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