映画『こちらあみ子』
傑作!今年のベスト入り。
大森立嗣監督作などで助監督を務めてきた森井勇佑の長編監督デビュー。
子供の頃、授業が嫌になり(飽きて)運動場に出て行ってた記憶が蘇った。なんだか自分の子供時代を見ているような気分にもなった。
他とは交わらず、自分を貫く少女あみ子。舞台は広島の小さな海辺の町。オール広島ロケの風景もいい。
キャスティングが素晴らしい。あみ子の父親役は井浦新、母親は尾野真知子。オーディションで選ばれた大沢一菜があみ子役にピッタリ!
終盤、ある謎が明らかになり、それがあみ子の微妙な変化と重なる。基の小説が素晴らしいのもあるが、あみ子の視点の描き方など、こだわったアングルも多くて構図も素晴らしい。
♪おばけなんてないさがいいアクセントになっている。
切ないテーマを明るく描いている。
小説からもわかるが、あみ子は発達障害と思われる。昨今、ADHDやアスペルガーといった言葉がよく出てくるが、昔は言葉も聞かなく、ちょっとおかしな子供程度だっただろうな。