紅梅シュプレヒコール

ナイブズ・アウト:グラス・オニオンの紅梅シュプレヒコールのレビュー・感想・評価

4.0
探偵ブノワ・ブランの活躍を描いた「ナイブズ・アウト」に続く第2作目「グラス・オニオン」をライアン・ジョンソンが引き続き脚本・監督を担当

前作の面白さに見劣りしない見事な最新作となっており、楽しく最後まで鑑賞する事ができました

今シリーズの特徴は、探偵を主役的な立ち位置に置かず、主役(前作で言えばアナ・デ・アルマス)を真相へと導く案内人として機能させているところです

ライアン・ジョンソンが語るところによれば、今作はシリーズの2作目ではなく単独作として観て欲しいようで、その姿勢は探偵を主役にしないという脚本から見てとれます

そして、この作り方をすることで真相へと到達するのは強い意志を持っている者の自力によってであり、探偵が全てを解決する絶対的な存在になっていないという魅力を生み出している

また、複雑に見えた謎が至ってシンプルな形で決着するのも今作の特徴

トリック自体は単純であるにも関わらず、キャラクターやダイアローグ、構成を工夫することでミステリーとしてしっかり完成させているのはライアン・ジョンソンだからこそ成せる技でしょう

このままブノワ・ブランシリーズとして展開していって欲しいなと思うくらいに好きな作品でした