マインド亀

ナイブズ・アウト:グラス・オニオンのマインド亀のレビュー・感想・評価

3.0
●前作ナイブズアウトもアガサ・クリスティっぽいミステリーの体を保ちながら、観客の裏をかきまくったライアン・ジョンソン。最後のジェダイにも通ずる、「既成概念をぶっ壊してやるぜ」的な感じがどうにも好きになれなかったのですが、今作でも同じ感じでした。それを面白いと思えるかどうかは観た人ではっきりと分かれるシリーズだと思います。

●作品のルックや登場人物のキャラ付けはとても楽しくて良いのですが、裏の裏をかいて結局犯人はそいつかよ、って展開はやっぱりどうかと感じます。ミステリーのカラクリに「双子」を使うのも本来なら禁じ手のような気がしますしね。それがこのシリーズの持ち味なんでしょうけど、ミステリーとして楽しめるかどうかというより、ミステリー作品の型というものを破壊して楽しもうというだけのような気がします。

●目的遂行のためにはためらわず貴重な文化財をぶっ壊す、というシーンは私が映画を見てて最も苦手とするシーンなのですが、今作はそれが大オチとして出てきたので、本当に苦手とする一作になりました。破壊者ライアン・ジョンソン、という言われ方も全くその通りですね。
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