春

ナイブズ・アウト:グラス・オニオンの春のレビュー・感想・評価

4.0
前作がかなり面白かったので今作の期待値も高かったけど、期待を裏切らない面白さだった。

なんといってもこのシリーズ特有のこの構成。今作はお話自体はかなりシンプルだからこの構成による見せ方で勝負している感じ。
途中までは殺人事件の起こるミステリーなんだけど、中盤で物語の裏側を語られて以降全く違うお話になるという構造。ミステリーがサスペンスに変わったりその過程でどんどん新しい事実が発覚したり、前作はオチにも一捻り加えられてある面白さだった。

はっきりいってダニエル・グレイグ扮する探偵が推理をして謎を解明していくといった類のミステリーではない。推理はするけど、大事なタネ明かしは作品構造そのもので行われる。
でも前作以上にダニエル・グレイグのキャラクターは面白くなってたと思うしシリーズとしてどんどん展開してほしい。この構成を踏襲してもいいし、前作の吐いちゃう系女子とか今作の酒乱系女子みたいな独特のキャラクターもシリーズ恒例に出来そう。

最初の殺人に関してはあのシーンを見返してびっくりしたね、大事なところバッチリ映しちゃってるから。僕は記憶を改竄されてまんまと操られたけど、気付いてた人にとってはミステリーが茶番化しちゃうからかなり賭けだったんじゃないかって思う。それとも分かってても楽しめる構造だったのかな。
あと序盤から積み重なってた細かい絶妙な違和感が最後にちゃんと回収されるのも気持ちよかった。本当になんとなく気になる程度の絶妙な違和感だったからこれまた絶妙に絶妙。

ラストはコメディ感と勢いで持っていった感も強いけど、お話の着地点としては結構いいオチだったと思う。それにしてもエドワード・ノートンのあの顔は良かった。

是非次の作品も観たいね。
春