トモヒロ

ナショナル・シアター・ライブ「ロミオとジュリエット」のトモヒロのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

演劇という装置を使って映画の手法で撮る。
とてもおもしろかった。絶品。

稽古場で俳優たちがロミジュリの稽古をしている場面から始まる。
最初は稽古着だったのが、ロミオとジュリエットが恋に落ちたあたりからだんだん衣裳になっていく(とはいっても現代風の服装)。
ロミオとジュリエットが恋しているのか、俳優同士が恋しているのか、虚実を曖昧にしていく演出。
日本の舞台上演で観るような喋りまくるシェイクスピア劇ではなく、ストーリーを進めるせりふ以外はざっくりカットされた、小声のせりふ回し。

キャピュレット家は本来は父親のせりふの大部分を夫人に割り当てていた。パリスとの結婚をジュリエットに強要する場面など、父親が強要するよりも強権の母親が強要したほうがたしかに絶望感がある。

見落としただけかもしれないけど、ロミオとジュリエットが仮面舞踏会でもバルコニーでもキスをせず、婚礼のシーンで初めてキスをする。しかもちょっと焦らして。それがエロティックでよかった。バルコニーのシーンでキスしないロミジュリは初めて観た。
そしてその婚礼のシーンの直後くらいにマキューシオとベンヴォーリオがキスしたのがびっくり。
トモヒロ

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