県を跨いだ連続殺人事件が発生したため、都道府県警の合同捜査がおこなわれることになる劇場版コナン。刑事課オールスターズ共演が、本作のひとつ大きな見所となっている。捜査協力として警視庁の会議に参加したおっちゃんのトンチンカン麻雀推理に、バカおまわり（静岡と群馬）だけがピンときてんのが笑いどころ。
隠れてから揚げ弁当を食べるメタボりを、哀ちゃんに怒られるアガサ博士。痩せた千葉刑事。太った白鳥警部。糖分を制限する横溝兄。糖分を摂取する横溝弟。みんながカロリーを気にしている。これが、なりすましの内通者をほのめかすミスリードのみならず、メグレ警部がヤケを起こした容疑者の自暴自棄を体をはって止める伏線になっているとは、誰も思うまいよ。コレステロールは防御力。メシを食え！この腹作るのにいくらかかったと思ってんでい！
連続殺人犯の犯行方法や動機となる出来事のシーンは、コナンと犯人の会話で語られるのみであるが、ラストはシリーズの黒幕として暗躍する秘密結社との因縁を反映し、シリアスな終わり方で締められていたと思う。
黒の組織のコードネーム・アイリッシュが思いの外ガッツリストーリーに絡んできて、わりと差し迫った内容。黒幕に面が割れる割れないっていうスリラーが機能していて、アバンタイトル前のコナンの悪夢でジンとウォッカが迫ってくるところなど、なかなかスリリングに描かれていた。
もはやネタ化した戦闘力を持つ蘭姉ちゃん。彼女の空手アクションが本格進化したのが本作だという。ライフルは無理だけど拳銃なら避けられる。警察オールスターズを素手で制圧にするほど強い秘密結社構成員と対等に戦う有段者女子高生！彼女こそリーサルウェポンだ！
東京タワーが戦場に！ここは日本ですか？瀕死のアイリッシュがコナンをかばったのに、標的が死体を盾にしたと思ってる女スナイパーのセリフは、彼女のなかでの命の軽さがよくわかるセリフで、なんか気に入ってしまった。パンクなパッツンでこだしボブがかわいい。
カブト虫→ビートルズ→じじいの趣味→事件解決という奇跡に、推理劇の活路を見出だしていって、本筋とは別の角度から少年探偵団の子供たちもミステリーのピース埋めに貢献する。
僕が何かしらの犯罪行為に手を染めてしまったときは、ふくろうに「２」と書いてそこかしろに放しておきたい。ふくろうず2ndアルバムタイトルは「ごめんね」ってわけ（反省）
