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前科者のTinscowのレビュー・感想・評価

前科者(2022年製作の映画)
4.0
アマプラのドラマ版で先に予習してからの鑑賞。
ドラマでじっくり掘り下げた各キャラクターへの理解と思い入れ。それらを持ってこの映画に臨んで大正解。
伏線全て回収し、ラストに映画で締め括るにふさわしい壮絶な家族の物語。

保護司・阿川佳代を主人公とした物語なので、タイトルも「保護司・阿川佳代」でもよいのに、なぜ「前科者」なのか、疑問だったがこの映画でわかった気がした。
前科者みどりとコンビニ前で会話するシーンで、「前科者に必要なのは保護司なんかじゃない、佳代ちゃんみたいに、弱い人間に寄り添ってくれる人」というセリフで、あくまでこの物語は、前科者にフォーカスを当てた作品なんだと。

ドラマ1話から出ていた最初の前科者・みどりは、いつしか阿川佳代の心の支えにもなり、二人の友情が育まれていく。ドラマがあってこその丁寧な人物描写も全体を通して良かった。

阿川佳代が、保護司になるきっかけになった事件、過去の自分と決着をつけるラスト、そして明確になったみどりとの友情が華を添える。
ドラマから映画まで素晴らしい一連の物語でした。

役者陣、有村架純が素晴らしいのは言わずもがな。森田剛も良かった。涙誘われました。
あと、みどり役の石橋静河、まともに出演作見たの初めてでしたが、すごい女優さんだと思います。

【どうでもいい感想】
阿川佳代がバイトしてるコンビニが何故モンマート?失礼ながら、ご老人が経営してる雑然としてるモンマート以外見たことがない(笑)
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