ぴよち

キスから始まるものがたり3のぴよちのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

もっと早く観たかった映画!!

ノアとエルの関係が、ノアからエルへの庇護を含む父娘的な恋愛関係から、一人の独立した大人同士の関係に変化する予兆が感じられたのはよかったなあ。リーがノアに「エルは守ってもらう必要はない。エルはただノアの愛が欲しかっただけ。」っていうのは泣けた。昔のラブコメだったら、そのまま結婚に突入しそうだけど、主人公の自立を間に挟むのもグッときた。大好きな人のことを優先したくなるけど、それで後悔して好きな人を責めるなんて悲しいし、何より先にすべきなのは自分の人生をよく考えて選択ことなんだよね。リーとノアのママの助言がいつも心に響くなぁ。彼らのママはすごくいいキャラだった。

1から3まで連続して見てたから、エルに感情移入しすぎてて、ノアから別れを切り出された時は本当に辛かった。このままバッドエンドなの?って思ってモヤモヤしてたけど、最後は上手くいきそうでよかったなあ。六年後を見たら、別れる選択があの時あの瞬間の彼らには最善の選択肢だったんだよね。

3はラブコメというより、エルの自立、子供時代との別れを描いたヒューマンドラマっぽい。リーが家を出るのを見送るシーンは特に気に入ってる演出の一つだけど、子供時代への懐古と訣別が表現されてるようで泣けた。

高校卒業ってやっぱり一つの区切りで、大学に行くにしても、何にしても完全な子供では居られなくなる時期だと思ってる。その時自分とは何か、自分は何をしたいのかっていうのを猛烈に問われるから、辛いんだよね。否が応でもそれに適応して、受け入れて結論を出さないといけないし。

子供時代との別れは痛みを伴うけど、悲劇じゃないんだって、彼らを見てて思えるようになった。私も最近子供時代が懐かしくて、手放すのが惜しくて、大人になりたくなかったけど、この映画を見てやっと受け入れられた。私も彼らのように人生における次のステージを迎えられるといいな。


エルの身勝手さとか、エルとリーの共依存チックな親友関係とか、もっと上手くやればいいのに!って思うことはたくさんあったけど、自分の気持ちに真っ直ぐなのが人間臭くて気に入ってる!
でもエル!マルコに対してはちょっと酷すぎない?明らかに好意を持ってるのに、拒絶しないのは逆に残酷だよ〜ってずっと画
面越しに言ってた。笑

また観たいと思うことになる映画だとは思わなかった。
ぜひ1から3を通しでみてほしいなぁ。
大人が見たら青臭くすぎて、共感できないことが多いかもしれないけど、この主人公と同世代の人が見たら励まされる何かがあると思う。
胸にじんわり刺さるセリフがいくつもあるし、きっとこの映画を観た人の救いになる言葉があるんじゃないかなあ。
おすすめです!
ぴよち

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