violet

ディア・エヴァン・ハンセンのvioletのレビュー・感想・評価

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もともとWaving Through A Windowが大好きで、本作が公開されるまで毎日聴いていたので、冒頭で流れた瞬間から泣いてしまった……

ミュージカルナンバーは全て、自分の感情を素直に表出することのできない人々の心の叫び。楽しいナンバーはSincerely, Meぐらいで、あとは辛さ切なさが凝縮された曲ばかり。Pasek & Paulが手掛ける音楽の凄いところは、絶望の中にも希望を作ってくれるところ。そんな楽曲にBen Plattの伸びやかな歌声が掛け合わさり、人の心に響くものが完成する。

薬物のオーバードーズによる自死、劣等感や惨めな気持ちが生まれやすい学校という環境、不安や孤独を感じやすい家庭環境、複雑な現代社会の問題をテーマにしたミュージカル。孤独に苦しむすべての若者を救わんとする意志を感じた。批判があるのも分かるけれども… 音楽のクオリティーも保たれているし、ドラマチックなプロットを映画用に上手く脚色できているし、個人的には成功だと思う…
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