violet

ロブスターのvioletのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
-

追いランティモスしちゃった٩(^‿^)۶

奇天烈な発想の割には、案外真面目なテーマを語ってたような気がする… というか、この監督っていつもそうか。

相手のために自分を犠牲にすることは確かに時には必要だけど、それを中心に愛を量ったらダメだよな〜。思いやりだけをもって、見返りを求めずに愛し続けられたら自分も楽だし相手も楽なんだけどな〜。早くその境地に至るまで成長したいよ。

「愛とは相手の幸せを願うこと」みたいな常套句かつ綺麗事で結論づけるしかないぐらい、愛って未熟な自分にとっては手強い課題なんだけど、もう割り切って単純なものとして考えるしかないのかなと思ったりもする。でも考えずに感情で動いて相手を傷つけちゃうのは嫌だし… はあ〜難しいね(哲学)


ランティモス作品って毎回動物が出てくる。それも何かしらの重要な意味をもって。今作では人間と動物の違い、そして関係性について考えさせられた。

人間に"管理される側"であるはずの動物だけど、常識やルールに囚われずに本能で生きられる動物は、実は人間よりよっぽど自由なのかもしれないな。人間は抑圧された社会システムの中で、日々息苦しさを感じながら生きてる。生態系を支配し、コントロールできる一方で、人間ってある意味もっとも不自由な生き方を強いられているのでは…?

社会のルールを守れなかった者は動物に"成り下がる"わけだけど、倫理観や社会性をもたない動物の暮らしに些細な羨望さえ抱いてしまうほど、本作で描かれる近未来的世界はハードなものだった。

その賢さと強大さゆえ、地球を律する責任感があるのが人間。そしてその責任感ゆえ、私たちは悩み苦しむことから一生逃れられないんだ……… それでも私は人間でいたいかな。なんだかんだ言っても人間楽しいので!

まあもし仮に人外になるなら、動物園で笹食って寝てるだけのパンダか、高級ペットフードの味しか知らないお金持ちの家のネコになりたい。それ以外は無理🎶


これでランティモスひと通り履修し終わったけど、一番のお気に入りはやっぱり『聖なる鹿殺し』ですね、あれは神。最新作も楽しみだーー!
violet

violet