ミュージカル映画だが、物語にかなり説得力のあるドキュメンタリーのような作品だ。
社会的な要素もあるが、かなり個人に焦点を当てた描写がされており、心揺さぶられるシーンもかなりあった。
この辺り、さすがチョボスキー監督だ。親子のシーンの描き方はかなりグッときた。
ミュージカルというと、華やかな「ダンス」のイメージがあるが、この作品はそれが全くない。正直、歌う必要があるのか?と思ったくらいである。
ただ、歌ったら歌ったで素晴らしい。ベン・プラットは、かなり上手い。特に低い音の響かせ方が秀逸だ。エンディングのサムスミスの歌声と間違うほどだ。
パセック&ポールの音楽が素晴らしいのは言うまでもないだろう。こういった、ミュージカル音楽ど真ん中ストレートのような歌を作らせたら世界一だと思う。
見終わった後にスッキリする作品ではないが、満足感はとても高い作品だ。