このレビューはネタバレを含みます
曲よし、歌よし、展開よし。
心の脆さのゆえに突き出た嘘は時間と共に膨れ上がるも、それが愛する人を傷つけるのならばもう嘘に価値はない。
人は自分を犠牲にしてでも守りたいものを見つけた時に、やっと大人になるのだろう。
ただ映画の形にするには足りないものが多かったように思う。
発達障害のキャラを描こうとしているのは分かるが、その解決は精神論で片付けてはいけないし配慮があと一歩足りないと感じた。
確かに感情や願いをミュージカルで語るのは有効な手法だが、観客の同情や正義感を煽るのに音楽を利用するのは違和感がある。
いじめっ子だとかSNSの下りに関しては、モブの心変わりが激しすぎて付いていくのが辛かった。
楽曲でキャラを掘り下げるのには成功しているが、画が単調で変わり映えしないのも気になる。
舞台版で見たらまた印象は変わるのだろうが、ドラマ部分とミュージカル部分のリズム感が違いすぎて「これは本当に音楽を扱っている作品なのか」と言わざるを得ない。