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007/美しき獲物たちのEirainのレビュー・感想・評価

007/美しき獲物たち(1985年製作の映画)
3.2
「007」映画シリーズ第14作。そしてこれが最後の"Roger Moore as James Bond"。

監督は引き続きジョン・グレンで堅実・硬派な作品に仕上がっているのだが、裏を返せば地味。敵役のゾーリンは中途半端サイコパスで、ただのヒステリックな小物にしか見えない。秘密兵器もボンドがピンチに陥った時に助けてくれるものではなく、情報収集用のものばかり。ボンドガールのステイシー(タニア・ロバーツ)もイマイチ魅力に欠ける。いっそのこと、ドルフ・ラングレンが殺し屋としてボンドの前に立ちはだかってくれたら盛り上がったかもね。

これにてムーア=ボンド作品観直し完了。『ムーンレイカー』まではネタに走り過ぎてイマイチな作品が多かったが、『ユア・アイズ・オンリー』でジョン・グレンに監督が交代してからは硬派なスパイ映画を楽しめたという印象。とはいえ少々地味に成り過ぎたか。良い塩梅というのは難しいものだ。
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