ギレルモ・デルトロ監督のシリーズ2作目。過小評価されてると思う傑作だった。前作から映像もキャラクターデザインも格段にグレードアップしていて、アメコミヒーロー映画としてはDCやマーベルのユニバース作品とは一線を画すギレルモ・デルトロ監督にしか作れない唯一無二のダークで独特な作品になってる。それでいてヴィランであるヌアダ王子の圧倒的な強さやアクション、飽くなき欲のため地球を破壊していく人間の愚かさを思い立ちはだかるどこか共感もしてしまう動機など、敵の描き方も素晴らしかった。出てくるクリーチャーの個性も凄くて、歯の妖精を筆頭に印象的なキャラクターが数えきれないほど登場する。まさにギレルモ・デルトロを感じることが出来る作品でもある。個人的にはエイブとヌアダ王女の恋が微笑ましくハッピーで終わる事を期待していたので、ラストの展開はめっちゃ悲しい。ただ、ヌアダ王子の最期もどこか敵ながら切なさを感じるところもあり、儚く美しい収まり方ではあるのではないかと思う。変に捻りすぎてないシンプルなストーリーの中で観やすさと個性抜群の素晴らしい映像がある傑作。強いていうならヌアダ王女を失ったエイブを最後にもう少し描いてほしかった。