おどろきの白鳥

パンケーキを毒見するのおどろきの白鳥のレビュー・感想・評価

パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)
2.9
ドキュメンタリーとして、様々な証言や事実をまとめた手法は上手い。
特に、菅氏の国会答弁について、ニュースで伝えた編集済みのものと、実際の答弁をそのまま流したものの対比が、「いかに質問に答えていないか」「説明していないか」を浮き彫りにしていた。

ただ、「事実列挙」と「批判精神」の部分はわかるが、「揶揄」「皮肉」「嘲笑」の込められた演出過多なパートは、恣意的な感情誘導を露骨に感じさせて、気持ちが悪い。
どう思うかは、こちらの自由にさせて欲しい。
あまりにメッセージを込めると、ノンフィクションから逸脱して、プロパガンダフィルムになってしまう。
それらが一番滲み出たのが、挿入された「アニメーション」だったのが、なおさら腹立たしかった。

それでもなお、このフィルムを観ておいた方がいいと思うのは、日本の今の現状〜特に様々な世界ランキングの明示によって日本が自滅気味な凋落傾向の確認と、選挙の重要性についてに気づかせてくれるということと思いました。

党派性や、分断で生まれた憎しみに目がくらみ、本作の内容を全面肯定する人も、全面否定する人も多いかとは思いますが、日本の凋落へなんとかしないといけないと考えることと、選挙の重要性だけは否定しないでほしいと願います。