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パンケーキを毒見するのragaのレビュー・感想・評価

パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)
3.0
まともに国会答弁しない利権重視の現政権→まともに権力を監視しないマスメディア→まともに政治に関心を抱かない若者。この順を追う作品構成は、政治に目を向ける分かりやすさ重視から、有権者に投票を呼びかける作り手の配慮がうかがえる。故にこの作品は普段投票に行かない人々に見て欲しいのだが、劇場に足を運ぶのは保守・リベラル問わず政治に関心を持つ人々、普段投票に行くので投票率が上がらない不都合が生じる。この仕上がりでは若者の心に響かない。
いっそ構成を逆にすればどうだろう。政治よりもパンケーキ等グルメ重視の若者→消費者好みの話題を優先するマスメディア→国会中継すらまともにしないメディアにあぐらをかく利権ウハウハの現政権はパンケーキ好きを豪語する。有権者をないがしろにするディストピアな終幕の方がインパクトあるし、若者パートに人気俳優をキャスティングすれば観客動員に貢献するだろう。要はムーブメントを起こさないと価値がない題材なんです。申し訳ない程度に後半若者を登場させるのは、皮肉にも制作側が "やってる感" に陥っている。
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