てながあしなが

パンケーキを毒見するのてながあしながのレビュー・感想・評価

パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)
3.5
題材としては自分好みのはずなのに、中途半端なものを見せられた感が強い。

現政権を批判的に取り上げ、政治に関心を持たせるような映像作品を志向したのだと思うがらどうにも空転して感じる。

突然挿入されるチープなアニメーションや、明らかに揶揄のニュアンスがにじむ女性のナレーションが肌に合わなかった。あえてなのかもしれないけど、安っぽく見えた。

語り(作り手)が現政権に批判的なことはよい。企画ってそういうもんだから。でも、ナレーションやアニメで茶化すと寒くなる。淡々とコメントや過去の答弁動画を流すだけでも成立した気がしてしまうのがツラい。状況証拠や取材成果だけで雄弁に語ってほしかったところだ。

『なぜは君は総理大臣になれないのか』は刺さったのにこれが刺さらなかったわけを考えたけど、一番デカいのはこれかもしれない。語り手の中立性。
あと、それでいうとあちらは取材もアクセルを思いっきり踏み込んでいたなと。一方こちらはというと、(あれと比べるのも適切かわからんが)イマイチ踏み込みが甘い感が否めない。

なお、上西充子先生がシブい。しんぶん赤旗の仕事もシブい。あと、小池晃って声いいんだな。