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ガリレアの婚礼のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ガリレアの婚礼(1987年製作の映画)
3.5
【パレスチナがヤバイので、、、】
今、パレスチナのガザで大虐殺が行われているので、パレスチナの混沌を描いた作品『ガレリアの婚礼』を観てみた。

パレスチナのガレリア。戒厳令が敷かれている中、結婚式が行われようとしていた。新郎の父は、軍を説得し、主賓として呼ぶことを条件に結婚式開催の許可をもらう。しかし、ムラでは、イスラエル人を昔虐殺したトルコ人が式に来ることに猛反発。女性は独特な雄叫びで煽り始める。また、結婚式のドサクサに紛れて何か不穏な計画が進行している。果たして結婚式は無事に終わるのか?という内容。

こう聞くと激しいサスペンスに見えるかもしれないが、カイエ・デュ・シネマベストテン案件なので、比較的物語展開が静かな心理劇だ。

民族同士の思惑が空中を飛び交う冷戦、カップルはただただ結婚したいだけなのに、裏でどす黒い政治が動く。そして嫌気がさし、逃げたくなるのだが、祭のような陽気な空気が身体にへばりつき身動きが取れない。この厭らしさを、過度に感情的に表現することなく全面に描いた点が良かった。

複雑なパレスチナ情勢は1980年代から全く変わってない。それ故に、ガザの殺戮に心が痛みました。
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