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裁かるゝジャンヌの2秒前のレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
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ほぼアップとバストショットだけでここまで強烈なイメージの連鎖を成立させていることに驚愕。
水は画面を緊張させる被写体として真っ先に挙げられる一つだろうが、この映画のジャンヌの涙も例外ではない。とにかく彼女は涙を流し、その度画面が引き締まる。
ジャンが窓格子から差す光が創る影に十字架を見出すと、自称王の遣いの男がその光を遮る。こいつ悪いやつですよと即座に理解る。
速度を増していく棘付き車輪とのカットバッグの緊張感。処刑台での乳首を吸う赤子とのカットバックの意地悪さ。眼窩からミミズの這い出る髑髏、大道芸人たち、俯瞰で集う群衆、強烈なイメージのつるべうちのなかで、しっかり裸足で階段を降りるジャンヌの足元の挿入を忘れない。
最後は焼かれ崩れるジャンヌと暴動を交互に捉え、高揚感とともに映画は終わる。これだよこれ。
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