ダンクシー

少年メリケンサックのダンクシーのレビュー・感想・評価

少年メリケンサック(2008年製作の映画)
4.8
「どうせ、俺らは笑われ者だろ。若ぇ頃は大人に笑われて、今ガキに笑われて、今更カッコつけてどうすんだ!?」

俺のバイブル。オモロすぎる。幼少期に観て衝撃を受けた作品。俺を形成した邦画とも言える。インパクトが強すぎて、超久しぶりに観たくなった衝動に駆られて再視聴。

今の時代じゃ絶対にできないコンプラアウトな描写ばっかで最高だったな〜!死ぬほど笑った。昔も今も、日本の映画で少年メリケンサックよりも笑ったのは一本も無い。
マサルのクソみたいな歌、イカれたピエール瀧、チ〇コでけぇのかよ!?、車の中だと揺れて見えるおっぱい、黒歴史(ネバーマインド♪)、オナラ、中指を立てる子供たち、田口トモロヲの涙、TELYA、などなど言い出したらキリがないほど面白いシーンが多い。
ストーリーがとにかくバカバカしい。直球的だからよりストレートに笑いが伝わる。ツッコミどころこそあれど、そんなのがどうでもいいくらい面白い。単純だから一々気にならなかった。テンポもいいし笑いの波がずっと続いていた。

「ダセェよなぁ〜、当時まだダセェって言葉はなかったけどよ、アレはダセェと思ったわ〜」

この映画のテーマはパンク。そこに対して、"嘘"という要素が深く絡み合ってくるのだ。佐藤浩市以外の全員がギリギリまで嘘をついている。宮崎あおいは自分に嘘をつき、田口トモロヲは途中から皆の前で偽りの姿でい続け、木村祐一は父は死んだと嘘をつき、勝地涼は浮気をして言い訳をする。嘘をつく方が楽だから皆嘘をつく。現実世界と同じだ。世界は嘘にまみれている。それでも、嘘をつくのをやめて、正直になって自分を晒し始めてから、魂がうねりを上げる。そこからの展開とライブがたまらなかった。まさにパンクだ。ダサくても、カッコ悪くても、それをさらけ出すのがパンクなんだ。クサくてもいいんだよ、いや、クサくなきゃパンクじゃねぇ!
パンク魂が燃え続けていた本作。どこが大事なところが欠けていても、そこに熱いパンクの魂がある限り、愛せる。2人で1人の回収の仕方もパンクらしく美しすぎて興奮した。
何者にもなれなかったゴミ共の再起。無事に成功して、そのまま終わりじゃパンクじゃねぇ。だからラストを観て確信した。これこそがパンクだと…!中盤あたりに、過去のギターとベースの衝突シーンとリンクする場面があったのが最高だったし、それを乗り越えたのも最高だった。でもそれだけで終わらずにラストでまたリンクさせてENDにしてしまうのがたまらなかった。満足すぎるよ。。

ただ、急にジミーが話せるようになったのだけ気になったかなー。さすがにこれにはツッコんじゃうよ。もっと説明あった方が良かったなぁ。ちょっとずつ片鱗見せるシーン入れてったりとか。あとアニメーション演出あったけど、刺さらんかったなぁ。キル・ビルみたいなことしてたけども。。

しかーし…!!この映画がつまらねぇ??うるせぇ!バーーーカ!!(中指を添えて)
ダンクシー

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