このレビューはネタバレを含みます
障害者に対する近隣住民のあからさまな差別が辛い。
自分たちとは違うものに恐怖を覚えるというのは仕方がない感情なのかもしれない。
でも、それを理性や経験や共感などで相手を理解するというのが人間にできる素晴らしい能力でもあるのではないだろうか。
加賀まりこさん演じる母がとても強くて優しくて前向きで、素敵な女性だった。でもなぜか始まりから終わりまでずっとじわりじわりと胸を刺すような痛みを感じていた。
結局、地域住民とのいざこざでホームにいられなくなったチュウさんは家に帰ってきた。
隣の家族も思ったより善良な人たちで、小学生の息子さんはとても優しい良い子。
隣同士の家族は打ち解けて、チュウさんとも距離が縮まった。
全て丸く収まって、ハッピーエンドなはず。
良い話だった。
でもなぜ、こんなにじわじわと心が痛いんだろう。。
それは、差別に対する理不尽さとそれに対する自分の傲慢な同情。
そして自分の中にもある差別的な感情を否定できないからなのかもしれない。