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梅切らぬバカのひとはのネタバレレビュー・内容・結末

梅切らぬバカ(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

塚地さんの演技が非常にリアルでそこから、利用者さんのこと思い出した。あー、こういう雰囲気の方いるのよね、と。でも、素直で可愛らしい人多いんだよなとか。最初はほっこりしてた。梅の枝が伸びているのをみた瞬間こだわりが強いところがあの梅の枝なんだってわかった。

最初は何気なく見れてたけど、加賀さんの母親の演技もとても上手い。毎日大変なこともあるだろうと感じた。でも、ちゅうさんの一番の理解者だよなってしっかり思わされた。

作業所の雰囲気もそのまま。仕事を思い出してしまった。そうそう、こんなふうに皆んな一生懸命に働いてるのよねって。

グルホにも色々な人が居て、職員から利用者から皆んな演技が上手い。リアルすぎる…。喧嘩してる内容とか、ルールを守れない他の利用者にケチつける感じ…。わかる…。職員の日々の大変さもはっきりと描かれていて、メンタル的な大変さもダイレクトに感じてなんだか仕事した気分。

街の人は冷たかったけど、知らない、理解できない、わからないものって怖いのはめちゃくちゃわかる。私も今の施設に入って、ちゅうさんみたいな人と毎日いる時間が増えた時怖くてたまらなかった。同じ利用者なのにビクビクして、怖がってた。職員になるってなったときも、上手く接していけるか不安だった。毎日同じ時間を数時間過ごす人でも怖い、どうしたらいいかわからないと感じたりするのだから、地域住民に理解を得られないのはある意味仕方ないこと。福祉従事者としては、理解して欲しいと感じるし、街の人の冷たさにとても心がえぐられた。でも、元々街の人の怖い、何されるかわからないという気持ちを知っているからこそ、怖いよなって気持ちは理解できる。

そして、ちゅうさんは50歳。
お母さんはもっとお年を召してるであろう。
高齢者の親が障がい者の子をお世話する。これは大きな社会問題でもある。
障がいのある人を受け入れる施設が、すべての障がいのある人を受け入れられるわけではない。
そうなると、グルホに入れられず親がお世話をするということになる。
超高齢化社会の中、今後はより大きな問題になるだろうと思う。

職場が障がい者福祉施設なので、見終わったらどっと疲れてしまった。
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