Carly

ギャング・オブ・アメリカのCarlyのレビュー・感想・評価

ギャング・オブ・アメリカ(2021年製作の映画)
3.7
ハーヴェイ・カイテル演じるランスキーが晩年に語るその生涯。戦争を乗り越えあの波乱と激動の時代を生き抜いたのはひとえに彼の才覚ゆえだろう。変革の波に乗ることができる力が彼にはあった。ギャンブル、暗殺、酒、カジノ-あらゆるツールを使いこなし、一時代を築き上げたその人生を、この作品をもって見届けることができる。
ついには移民系マフィアをまとめ、全米犯罪シンジケートを作り出したランスキー。迫害される同胞を思い、自らをさまよえるユダヤ人と称した自虐的表現に彼の真意を感じた。
アル・カポネらと肩を並べるマフィアに登り詰めながらも彼は家族の前では一人の父親であろうとしていたように見える。いつも不思議なのだけれど、こういう裏社会の男なのに、妻になるのは一般人が多い気がする。敵対するところと和解の為に政略結婚、みたいなものがアメリカではほとんどないのはやはりロイヤル不在の歴史が関係しているのだろうか…
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