るか

死霊のはらわた ライジングのるかのレビュー・感想・評価

4.2
最高!個人的には同じ悪魔系の「死霊館」シリーズよりずっと楽しめた。
単に血がいっぱい出てくる頭の悪い映画、と評するのはまさに愚の骨頂で物語構造や一つ一つのカメラワークが非常に凝っているハイクオリティな作品だと感じた。それはオープニングシーケンスのぶちあがりっぷりからも容易にわかるだろう。先にセリフで「せいぜい顔がずたずたになるくらいよ」と言っておくことでこちら側の恐怖を煽り、事故でぶつかるのかなと思わせておきながらの自らぶつけていく予想の斜め45度を行く素晴らしさ。なんであそこで悪魔に憑りつかれた彼女が浮くのかはどうでもいい。かっこいいからだ。あのタイトルコールは素晴らしかった。
そしてメインパートであるマンションでの攻防は単純な悪魔に襲われる恐怖だけではなく、高所に閉じ込められてしまうという恐怖や悪魔が増殖していくゾンビ的な恐怖、更には主人公の妊娠による身体的な時限爆弾的な恐怖も重なってくる。非常にハイコンテクストで一瞬たりともこちら側を飽きさせないという作り手側の気概を感じることができる。
また、本シリーズお決まりのモンスター側視点で襲われる人物を描くカメラワークも素晴らしいことはさることながら、食いちぎられた目玉に視点をくっつけてそれが仲間の口に見事ホールインワンとは中々悪趣味。
アリッサ・サザーランドの怪演も素晴らしい。特殊メイクかVFXかはわからないが表情もめちゃめちゃ怖い。最高。
頭使わなくても十分に楽しめる作品であることは間違いないし、その後ろにある匠の技を感じることもできる素晴らしい1作。
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