そそ

クレイヴン・ザ・ハンターのそそのレビュー・感想・評価

クレイヴン・ザ・ハンター(2024年製作の映画)
3.6
実は個人的にかなり期待していたのだが、微妙だった。主軸のプロットとキャラ造形に当てる尺のアンバランスさ、アプローチこそは面白いのにブツ切りかつ短尺で中々アガらないアクションシーケンス、整合性に欠けた編集も相まって起伏なくのっぺりしてる作劇など、相変わらずのSSU具合。ラッセル・クロウvsライノのギャングもの的サブプロットが顔を出しても規模が広がらず、歪ながらも歪なりに面白いジャンル映画としての立場も確立出来ていない(個人的にこの路線を1番期待していた)。
ただ、弟をマッチョ思想から遠ざけようとし掟や信条を抱くクレイヴン/それに劣等感を覚え逆にマッチョ思想に蝕まれるディミトリという歪な兄弟関係は良くて、ゆえに弟救出ものな主軸はとても微笑ましく観れた。クレイヴンが野生動物としての凶暴性を初めて露呈させた際の開けたショットの秀逸さも良いし、フォーリナーとアレクセイ(白いワイシャツと小さいリュック、そして胸を張った姿勢の良さが逆に不気味)の地に足着いたビジュアルもかなり好みだった。長尺を使った回想を今作で終わらせた分次作では描写の制約が取れて化ける可能性も充分あったので、SSUがこれで終わりなのは少し残念(とはいえスパイダーマン匂わせと予告詐欺には辟易していたのでまあ仕方ないかという思いもありつつ)。
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