そそさんの映画レビュー・感想・評価

そそ

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ゴジラ対メカゴジラ(1974年製作の映画)

3.6

前作までとは打って変わり、人間パートをメインに展開させる初期の頃の作風に回帰していて嬉しい。が、主軸である置物を巡ったサスペンス?というか争奪戦のキーであるキングシーサーが最終的に戦いに全く貢献してく>>続きを読む

ゴジラ対メガロ(1973年製作の映画)

3.4

階段を下る車、車に突っ込むバイク、と割と危険なスタントもあるが、今まで以上に人間はオマケ。終盤の怪獣プロレスへの助走に過ぎない作劇はもはや清々しいまである。今回のメインであるジェットジャガーも唐突な意>>続きを読む

ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985年製作の映画)

4.2

久しぶりに観たいと思ったら丁度再上映してた!嬉しい
まあとにかく凄いのはやっぱりアクションへの熱意。というか狂気。冒頭のバラックを横断するカーチェイスに始まり、階段から落下は当たり前、バスからコンクリ
>>続きを読む

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

4.1

飛行機もの×サバイバルもの×バディものが手堅く纏まっているが、どの要素もあまり突出していないきらいはある。もっと遊び心があっても良かったかもしれない(割と早く機長と殺人囚が打ち解けてしまうのが特に勿体>>続きを読む

シン・ゴジラ:オルソ(2023年製作の映画)

4.7

モノクロにした恩恵はそこまで感じなかったが、黒い巨体と白く小さい目、放射線流の光のコントラストは圧倒的に白眉。というかそもそもだけどお仕事映画として面白すぎる

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.1

初っ端からコカイン熊を出し惜しみせず、かつ食傷させないよう群像劇的に様々な要素を絡み合わせた、全方位に堅いウェルメイドな作りで良かった。冒頭のテロップ(wiki参照)で作中のスタンスが明晰になることで>>続きを読む

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

3.9

欲求の自制/暴走というディープでインモラルなテーマを、全く包まずに生のまま提供してくる。欲望を二次元の仮想世界にて発散する危険性、思考という罪に対する拒絶という断罪の是非。超えてはいけない一線すら曖昧>>続きを読む

男たちの挽歌 II(1987年製作の映画)

3.7

香港とニューヨークの同時進行によるダイナミックな推進力で語られる、男臭く刹那的な仁義。火薬と唾液と汗と涙に塗れた全編に対しての、命の誕生と喪失が静かに対比される公衆電話のシーンが美しい。強引な廃人治療>>続きを読む

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

4.3

3か4回目の鑑賞。こんなに面白かったっけ!?人間ドラマは比較的最小限かつ、喪失による狂気・家族愛を起点とした怪獣の解放/追跡に重きを置いているため、脱線せず主体の怪獣に常に寄りかかった作りになっていて>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.9

怪獣を神とニアリーイコールと言わんばかりの超自然的な存在として描いたKOMのアプローチがかなり好みだったので、メインビジュ等の疾走ゴジラにはかなり拒絶反応があったが、まあここまで突っ切ってくれるなら全>>続きを読む

レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.1

2回目か3回目の鑑賞。相補的関係性にはグッとくるが、やっぱりプラトニックな擬似親子関係に帰着させて欲しかった感じはする。割とガバガバなリアリティだったり、火力の強いアクションだったり、シリアス調に見え>>続きを読む

哀しき獣(2010年製作の映画)

4.2

素早いカット割りでシームレスに情報を提示してくるスピード感が超楽しい。故にカーチェイス時は視認性の悪さが気になるものの、追いかけっこや乱闘など動のシーケンスではその忙しなさが超合致している。暗殺+妻捜>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.9

ジョンウィック的復讐スリラーかと思いきや、殴られ、諭し、思い出の料理を作ることで真相へと辿り着き喪失と向き合うヒューマンドラマ的趣が強かった(同じく復讐ものかと思いきや中年男のヒューマンドラマだったラ>>続きを読む

激怒(1936年製作の映画)

4.0

根拠なき噂の伝播による”事実”に壊される幸せの絶頂。誘拐犯を憎む民衆による”激怒”、冤罪をかけられた主人公による”激怒” を中心に、感情に任せた弾圧/私刑に対する警鐘を立体化する鋭さが良い。単純な二項>>続きを読む

スーパーヒーロー ムービー!! -最’笑’超人列伝-(2008年製作の映画)

4.1

サム・ライミスパイダーマンを基軸に、バットマン、X-MENもちょいちょい混じってくる無法地帯さに笑った。過激ベンおじさんのレスリー・ニールセンとか、色んな乗り物に乗るプロフェッサーXとか、既存キャラク>>続きを読む

サラリーマン・バトル・ロワイアル(2016年製作の映画)

3.4

フォーリングダウンかと思ったらCUBEやSAW的なソリッドスリラーだった。命令通りに動くタカ派な上司ら、に対しての命令を拒む主人公ら社員という対立構造が軸だが、その主人公が唱える打開策が有効でなく理想>>続きを読む

クリープ 2(2017年製作の映画)

4.0

ホラーというか、ミドルエイジクライシスへのセラピー的映画というか、とにかく既存のPOVホラーとはかけ離れている。撮影者の肝が据わりすぎてることで加害者/被害者という二項対立の境界が段々薄れていくギャッ>>続きを読む

チェイサー(2008年製作の映画)

4.2

主人公と殺人鬼の単純明快な追いかけっこかと思いきや、序盤から犯人が普通に捕まり自白し出す為どういう道を経てどういうゴールに帰着するのかが全く分からない。予測不能な犯人にとにかく揺さぶられるライド感が楽>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.2

面白い!人物像を2時間かけて立体化する作りは宛ら現代版市民ケーンだが、より普遍的。サクセスストーリーとしての面を持ちながら、その負の一面も兼ね備えるアンチサクセスストーリーでもある。それもそのはず、ザ>>続きを読む

市民ケーン(1941年製作の映画)

4.1

回想の積み重ねで一人の人物像を構成する作劇は今は割とオーソドックスかもしれないが、マクガフィンとして薔薇のつぼみを配置する事でミステリとしても展開させている。その多角的なプロットや立体的なパンフォーカ>>続きを読む

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.7

劣等感を抱え主体性に欠けた男が、富裕層により倫理観を弄ばれるお話。自分の行動の意味と直面し、首輪に繋がれた過去と決別しても尚残る依存性・中毒性。一線を越えた後日常に戻る者/もう戻れない者の対比の空虚さ>>続きを読む

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.0

なるほど確かに面白い。プロットこそは単純な捜査ものだが、トラウマを抱えながらも男社会なFBI内で事件解決の為奔走するジョディ・フォスター、と、サイコでカニバリストながらも芸術家気質で紳士的なアンソニー>>続きを読む

ミニオンズ フィーバー(2022年製作の映画)

3.9

初めてミニオンシリーズをちゃんと観た。悪の成り上がり譚をやるのかと思っていたのでプロットの薄さはやや残念だが、ミニオンワチャワチャとちょっとした師弟ものだけで90分貫き通してて潔い。ユニソルコンビとダ>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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原爆の開発成功を起因とする、核分裂による連鎖反応の如き世界的な核兵器の拡散。そしてそれがスクリーンを超え、現実世界へ地続きするホラー。気付いた時には最早手遅れな知的好奇心が齎す犠牲、物理学の集大成が大>>続きを読む

ブラック・スワン(2010年製作の映画)

4.2

尋常でない重圧にジリジリと追い詰められ、純粋な白鳥が黒鳥へと堕ちていく様は完全にホラー。入り乱れる幻覚への生理的嫌悪感、手ブレするカメラも相まって、信用できない語り手ものスリラーへと変貌していくプロッ>>続きを読む

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)

4.2

基本は逃走劇だが、長回し(風?)の多用により緊迫感が凄い。特にクライマックスの銃弾飛び交う中の救出シーケンスはもう戦争映画の形相ですらある。その銃撃戦はあるモノにより止まりかけるが、1つの爆発により再>>続きを読む

ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)

4.1

中々面白かった。ニヤニヤしながらも自身の暴力性の発露に怯える、危なっかしさと孤独さが同居するダルトンとギレンホールのマッチ具合が良い。目が全然笑ってない。に対しての悪役コナー・マクレガー。今までどうや>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.7

思っていたよりもかなり誠実な作り。スクーターを乗り回す優しい巨体男ラッセル・クロウは良かったが、絵面の変わらなさも相まって全体的にジャンル映画としての突き抜けが弱く感じた。ホラーとしても怖くなく、バデ>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.1

劇中劇と舞台裏の二重構成の同時進行に着いていくのが必死でメッセージ性とかテーマとか全く咀嚼出来ず、あの町が当時のアメリカそのもののメタファーなのかなみたいな浅薄な考えしか出来んかった。ただ、TGBH以>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

3.8

完全に会話のみを推進力として作劇を展開させててすごすぎ。室内の人々の論理的、感情的、利己的、受動的、差別的、な特性から実社会のそのままのようにも見える。数々の状況証拠のみで構成された事件の”真相”が、>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

”同情”の視線という潜在的な差別、ステレオタイプに当てはめて勝手に満足する事への鋭いアンチテーゼ。疑問を抱くジェフリー・ライトに重なる白人たちの賞賛、ハッピーエンドよりも悲劇を求めるエンタメ業界、そし>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

戦争アクション、というかもうモンスターものの片鱗すら感じた。何をしても死なない主人公と慄くナチ兵の対比はコメディチックで笑えるが、度々挿入されるゴア描写にも胸が躍る。地に足ついた殺戮シーケンスの連なり>>続きを読む

我、邪で邪を制す(2023年製作の映画)

3.8

ターゲットが2人なのに対しランタイムが2時間超なので中弛みはあるが、ダークなノワール的序盤からのジャンル転換が力技すぎて一気に惹き込まれた。ドローン撮影も駆使したパワフルな肉弾戦も良い。ラストの謎の清>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.2

初見時はかなり微妙な印象だったが、結局3回観に行ってしまった。好きです。
まず、ポールの英雄譚として負の面が強調されるリアリスティックなアプローチがとても好み。確かに、”予言”に従い”救世主”を崇める
>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.2

陰謀論に取り憑かれた司令官、先制攻撃を提言する将軍、意気揚々と核爆弾を落とそうとする少佐、そしてウキウキで爆弾投下後の構想を話す元ナチの狂人博士、とまあマトモな人物がほぼゼロ。世界の危機なのに一切サス>>続きを読む

スーパーバッド 童貞ウォーズ(2007年製作の映画)

4.2

大量強火の下ネタで構成された超透き通った青春譚だった。つい最近高校を卒業した自分にとってこれ以上無いほどドンピシャ。女子と少しでも会話すると興奮、サッカーの授業でパスが来ない、そして未成年あるあるの酒>>続きを読む

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