くさむすび

殺人鬼から逃げる夜のくさむすびのネタバレレビュー・内容・結末

殺人鬼から逃げる夜(2020年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

最高。オンライン試写で見たことを後悔。『チェイサー』のような高低差を使った韓国住宅街追いかけっこが大好きな僕にはご褒美のような映画だった。
まず特筆すべきは音の使い方。ジャンプスケアを多用せずとも、無音の緊張感でひたすらに恐怖を煽る。ジワジワ恐怖が近寄っているというのを分からせるのが余計に心臓に悪い。
小道具の使い方も見事で猿がシンバルを叩いてるオモチャの不気味さ、音を感知するライト、街中に設置している警報ボタン。これらの小道具も先ほど書いたように恐怖を増長させる。そしてあの斧のシーンはカメラワーク然り『シャイニング』にしか見えなかった。
また単なるスリラー映画に形容されることなく、社会派な一面を持ち合わせている。特に歓楽街のシーンは社会を巧みに映し出していました。聴覚障害を持っているがために、人々に助けを求めても誰にも取り合ってもらえない。「こいつらに期待したのか?」という台詞が象徴していたけど、国民性の無関心を描いていたんじゃないかと思います。同じ韓国映画の『国家が破産する日』でも無知・無関心を問題視して描いていた所があったので、いかに問題になっているのかが分かる。やっぱり韓国映画だなと思いました。女性が逃げるだけでなく立ち向かうというのも、今の映画だなと思いました。まあ警察が使えないのは、韓国映画の定番ですね。
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