フランソワ・オゾン監督の新作。
前作の作風がとても好みだったので楽しみにしてた。テーマはかなり重たいけれど、現代の課題を浮き彫りにしていて色々と考えさせられる。
病床で安楽死を望む父。家父長制とはまた別の、異なる形での絶対的な存在としての父親と娘の姿。それでも確かに家族としての愛はそこにあって、だからこそ何が最善なのかを迷い問いかけ続ける。
個人的には自身の行く末は自分で決断したいし、誰かにそれを邪魔されるのは本意でないというタイプなので、父の気持ちにはとても共感した。すこし我儘が過ぎるけどね。
それと同時に見送る娘の気持ちにも。相手がかけがえのない大切な存在だったとき、果たしてそれがどんな決断だとしても受け入れられるだろうか？大きな自問を与えてくれる映画でした。
