最近身近な人の死を経験したので、自分の死について考えることもあり、この映画はタイムリーに訴えてくるものがあった。
突然亡くなってしまう事例に対して、まだ安楽死の方が人生を終えることの準備ができる点で優しいのかなと思う。
とは言え、例えば自分の親が安楽死を願ってきたら、素直に肯定できるわけがない。1日でも多く生きて欲しい…
だから、アンドレの娘たちの気持ちはめちゃくちゃ分かる。
一方で、本人の意志を否定することが正しいのか?
本人が「自分の人生ここで終わってもいい」と胸を張って言えるなら、そして突き詰めれば、他人の死に方を強制することはできないわけだし…
アンドレの気持ちも分かるから、とても複雑でしたね…
終盤、当事者でない立場の人物がアンディに投げかけた純粋な疑問が、自分の持つ感覚だけで片づけられない複雑性をより鮮明なものにしていたように見えました。
安楽死に対する家族の葛藤を、決してシリアス一色でなく、優しさやユーモアを織り交ぜながら描いていたのが印象的でした!
そして、ラストシーンはしっかりと今作のテーマに真摯に向き合ったものだったと僕は感じます!