デンマちゃん

レッド・ロケットのデンマちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

レッド・ロケット(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

◼︎🟥🟨🟦のパレットで彩られた、素晴らしいショットが盛り沢山。中年男性がチャリで蛇行してる映像なんか、もう見ているだけで楽しくなる。あと夜の工場ってやっぱ絵になるなあ。

◼︎主人公マイキーの脳内がお花畑なのでついつい面白おかしく消化してしまうものの、画面上で起きる全てが最悪。マイキー(たぶん40代)はドーナツ屋の看板娘(17歳!)に一目惚れし、嘘を並べて口説き落とし、しまいには半ば強引に街から連れ出してポルノスターに祭りあげようとする。ちなみにマイキーは無一文無計画でテキサスに舞い戻ったため元妻レクシーの実家に居候(+*一方的に*都合の良い関係も)している。

◼︎舞台となるテキサスシティの中でも、マイキーの居候するエリアと看板娘ストローベリーの住宅地は明らかに異なる様子。初めてカウンターの内外で明らかに境界線が引かれていたが、いつのまにかマイキーはカウンターの奥に誘われ、性行為を通じて境界線が取り払われる。かのように見える。

◼︎ショウオフなマイキーだがポルノ俳優としての経歴をストローベリーにだけは頑なに隠したかった様子。SNSの力でとっくにご存知だったと、ジェットコースター上で告白される場面で思わず拍手しそうになった。ジェットコースターは「やべえ、ばれた」と急に足場がなくなるような恐怖感でもあるし、アトラクション感覚で相手を取っ替え引っ替えしてしまうティーネージャー特有の恋愛観でもあるし。