メメン

ニトラム/NITRAMのメメンのレビュー・感想・評価

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
3.5
ノンフィクションなんかじゃない実話が元の作品。『ニトラム』最初は"ただ"のあだ名かと思った。しかし、それは"ただ"のあだ名なんかでは無く侮蔑。

『ボート・アーサー事件』実際にオーストラリアで起こった無差別銃乱射、大量殺人事件。その犯人であるマーティン・ブライアントの生き様を描いたドキュメンタリー映画。

ストレス社会であるこの世の中を息苦しく耐え抜く様に過ごしているマーティンにとって協調性とは無縁。孤独で社会からはのけ者にされている。彼の気持ちがわかる人間がどんだけいようか。

だからと言って彼がどんなに不遇でも、この事件である行動の結果に対して共感も擁護も出来るわけではない。まさしく非道である。

ただ私が感じたのは精神面がズタボロになり不遇が重なれば誰もがこの様な非道を起こさないとは言い切れないこと。
人を恨み。憎悪にまみれ。彼の様になり得るかもしれない。

目を逸らす訳にはいかない映画でした。
ただ贅沢を言うなら最後の大量殺人のシーンを観たかった。その描写が有ればもっと響くものがあったと思う。
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