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ニトラム/NITRAMの東京ニトロのネタバレレビュー・内容・結末

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「最初からこうするべきだった」
ひどい鬱状態になり寝込んだ父親を起こすために、ニトラムはそう言って父親を何度も殴った。殴られた父親は「わかった、わかった」といって立ち上がる。ここに、彼が気づいてしまったこの世界の真理がある。ニトラムを囲む人々が彼にしてきたことはすべて、力で彼を抑えつけるか引きずり出すことだった。いつも彼を軽蔑して"もっと強い薬を"と精神科医に頼む母親、生徒たちから離れるよう怒鳴ってきた学校の教師、カーディーラーの横柄な営業マン、父親との契約を無視して高額を提示した老夫婦に物件を売り払った不動産屋。

そしてニトラムに殴られて、自殺してしまった父親。

"最初からこうすべきだった"という真理に気づいたニトラムは、急速に社会に適応していく。銃器店でのスムーズな取引、個人売買、カフェでの店員とのやりとり。

最後に彼はカメラをセットして、観光地ポート・アーサーの30数人を殺害する。

"よく見ておけ、お前らがやっているのはこういうことなんだぞ"
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