かがやきさん太郎

ニトラム/NITRAMのかがやきさん太郎のネタバレレビュー・内容・結末

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ見たさに鑑賞。
抑えられない純粋な邪悪さの演技がすごかった。
なるほど、スノータウンの監督。
確かに近しい空気感だった。

全編通してやるせなさ過ぎる。
幼少期の花火による怪我でインタビューされてるOPシーンが後々の説得力に繋がってくる。
マーティンが自分でも自分に違和感を感じつつも理想通りにならない自身や周囲に対してフラストレーションを溜めていくのが見てて辛かった。
ヘレンとの出会いも恋というより、初めて同じ空気を纏った人間に出会った喜びや安心感からくる信頼関係って感じで少し希望が見えたのに。

両親との関係性も丁寧に描かれてて、印象に残ったシーンがいくつもあった。
お母さんの生地屋さんで幼い息子の異常さが確信に変わった時のエピソードとか、鬱になったお父さんをマーティンがボコボコにするシーンとか。お母さんの恐怖と心配と愛の調教。お父さんの絶望。本当にやるせない。

終始犬猫たちが酷い目に遭うんじゃないかとビクビクしながら見てたけど、直接的な害は描かれてなかったから安堵。(住宅街で放たれたのはよくないけど)