Omizu

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わたしは最悪。(2021年製作の映画)
3.8
【第74回カンヌ映画祭 女優賞】
ヨアキム・トリアー新作、第94回アカデミー賞でも脚本賞と国際長編映画賞にノミネートされた。

ヨアキム・トリアー作品は『母の残像』しか観たことがなく、可もなく不可もなくという感じだった。

しかし本作は間違いなくネクスト・レベルにいった作品だろう。一段階、いや二段階くらい高みに達している。

ユリヤの人物造形が独特で面白いし、映像的な遊びも冴え渡り、本作で作風を確立したように思う。

また役者という面でもとてもいい。レナーテ・レインスヴェをユリヤに配役した時点でもう勝ちでしょう。前作はイザベル・ユペールがあまり役に合ってないように感じたのに対し、本作のレナーテ・レインスヴェは素晴らしい。かなりしっちゃかめっちゃかな人物造形なのにビー玉のような目が魅力的で惹かれてしまう。

ただ少し難点があるとすれば編集かな。テンポが絶妙に悪く、もう少し短くまとめられたのではないかと思った。キメの編集はとてもいいのでもったいない感じがした。
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