たんたんめん

わたしは最悪。のたんたんめんのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
3.6
劇中で主人公ユリアに対して自分の発言がマンスプレイニングであると自嘲する中年男性が出てくるが、まさにこの人物と同年代である監督ヨアキム・トリアーが、年下の女性を主人公にした映画を撮ることに対しての痛烈かつ真摯な自省が端々から感じられ、ポストポリコレ時代たる20年代にふさわしい映画だと感じた。
ただ、それがお仕着せの抑圧としてあらわれず、「唯一無二なんだけど特別じゃない自分」をめぐる軽みのある恋愛映画になっているところが良い。

ただ、それだけに後半だいぶウェットな展開に終始しテンポが大幅に悪くなるあたりが惜しい。あの結末に着地するために必要な展開だったのは分かるのだが。

追記。
主人公カップルの別れ話がこじれてグダグダになっていくあたり、結局流れでやってしまっていったんクールダウンするしょーもない下りをふくめ、共感性羞恥を呼び覚ますレベルで良い。
たんたんめん

たんたんめん