ようやく見れたが、噂通りの良い映画だった！モスクワから最北端に向かう寝台電車の中で、相席した二人の変わりゆく心情が描かれる。フィンランドの映画監督といえばカウリスマキだが、ユホ・クオスマネン（覚えにくい！）監督も見逃せなくなった。
時代設定は少し古い。スマホは無く、ビデオカメラで思い出を残すのが趣味の女子大生ラウラが主人公だ。女性の大学教授と付き合っていて、二人でムルマンスクのペトログリフを見にいく予定だったが、仕事が入りラウラ一人で行く事に。寝台電車に乗ると同じ部屋に荒々しいロシア人青年リョーハがいて、最悪な旅になる予感がする。
ラウラは背伸びして彼女と付き合っているし、彼女は忙しく、ラウラに向き合ってくれていない様な疎外感があった。そんな中、がさつな男リョーハと出会い、素直な自分らしさを取り戻していく。道中、リョーハの素直さや子供っぽさ（雪で遊んでコケたり笑）を見ながら自分にないものを感じていき、ビデオカメラが盗まれた事で過去に囚われた自己が解放される。
と同時にリョーハもラウラに惹かれ、冬には豪雪で見に行けないはずだったペトログリフまで案内する。この二人のありのままの姿で築いた絆の様なものが尊すぎた。別れ際もさっぱりしているが、それが逆にリョーハの深い愛情が表現されていてジーンとくる。
